プロメテウスとロマネスコと最速のクラブナンパ即 〜朝焼けの2月篇・その2〜

大都会にしんしんと降り積もる雪を眺めながら、僕は自分自身に起った出来事を噛み締めていた。
あれは一体なんだったのか。あの子とのセ_クスは本当にあったことだったのかと…。今でも全ては夢の中の出来事のように思える…。

 

f:id:OZZ:20140609223335p:plain



2014年2月のとある週末、東京には大雪が降った。
昼から降り始めた雪で、夜半には辺り一面真っ白になり、電車のダイヤは乱れ、テレビでは困惑する人々が面白半分で映し出されていた。辺り一面真っ白だった。まさに東京そのものがまるで見た事もないワンダーランドに生まれ変わっていた。他人事のように家でそれを眺めていた僕は、ある人に呼び出された。

それはあの、ごまきさんだった。

節分にストリートナンパで即をした僕は、なぜかその大雪の中、あの欲望の街に立っていた。
このとき既にクラブからのお持ち帰りでは10連敗以上を喫し、ナンパをしてる人としてはおそらく底辺にいた。なまじ踊る事が好きなせいで、ナンパがうまくいかなくてもいいや、そんな考えがあった事は確かで、いや、それでも結果を出す人は山ほどいる事を考えれば、ただのショボ腕なのだった。さすがに1月の惨憺たる結果で自己嫌悪に陥り、なぜお持ち帰りできるのかは全くわからないような状態だった。答えは確かにあるけど式がわからない、迷える子羊ならぬアラサー羊だった。涙も涸れていた。
そんな僕には無情にも更なる誕生日と言うものが訪れ、一つ年を取った。本当なら武井咲のような美女が、手作りケーキとシャンパンで祝ってくれているはずだったのに、実際は僕の隣には、にやにやと不敵な笑みを浮かべ、したり顔をしたごまきさんがいた。ホワイトバースデーwith暗黒卿、というある意味で贅沢な取り合わせになったのだった。

正直、ごまきさんはいろんな意味で恐ろしい存在だった。全くもって何を考えているかわからない、それなのに的確に人の心を揺さぶり、混乱へと陥れるのであった。もはやナンパ師界隈で最も「暗黒卿」と言う名にふさわしい人だった。そんな人が僕の誕生日を祝ってくれると言うのだ。無論ただで済まされるはずがなかったが、ただ家でテレビを見ている日常に比べれば、僕にとってはカオスな日常にこそ生きる意味があるように思えたのだ。

待ち合わせをした彼は、まるでマッターホルンのような出で立ちで、寒さか怯えかで肩をふるわせるアラサー羊の僕に、開口一番こう言った。

「オズさんは欲望を出し切ってないっすわ、カッコ悪いっすわ」

正直、何を言ってるのかがわからなかった。わからなすぎて「へ、へへぇ」などとうっかり八兵衛みたいなリアクションをしてしまった。この人は水戸黄門か?黄門様なのか?欲望を出し切ってない?いやいや、何言ってんすか、欲望全開で生きてるつもりですけど?ナンパしてますし!黄門様はさらに印籠を見せるがごとくこう付け加えた。

バカルディいきましょう」

無知な僕はバカルディと聞いて、内P時代の改名前のさまぁ〜ずを浮かべたが、そんな僕を差し置いて、黄門様一行は大雪の中、アイリッシュパブのチェーン店、HUBに入った。バカルディ、一体なんなんだ!?名前からして僕の大好きな和菓子ではない事は確かだ。そしてあの笑ってるのか睨んでるのかわからない暗黒の魔法使いの事だから、おそらくただでは済まされないことも確かだった。僕はディズニーのヒロインみたいにバカではない。明らかに怪しいのに何も感じない程不感症ではない。ホラー映画である。

さすがに大雪ともあって週末の零時を回ったHUBにしては大して混んでいない。今日はオズさん、誕生日ってことでおごりますよ、と軽快にカウンターに向かうごまきさんは、店員に言った。

バカルディ151、45ml、ショットで。ライムつけて」

ライムをつけて、の一言がせめてもの優しさだったと知ったのは、この1分後だった。
ショットグラスで出てきたのは琥珀色をした飲み物だった。

「あはは〜なんすかこれ〜」

と僕は自分で自分の墓を掘る囚人の、最後の愛想笑いを浮かべながらそれを受け取った。ショットグラスに入ってるくらいだからテキーラかその類いの酒だろうとは思った。ちなみに酒に弱い僕は普段ショットで酒などは飲まない。ぶっちゃけ馬鹿がクラブでノリで飲むもんだと思っている。しかしこのバカルディが、この日の僕のナンパの運命を、大きく変えるターニングポイントだったとはこの時は知る由もなかった。

それはまさに「バースデイ」の始まりだった。

「さ、いっちゃってください」

まるで首相になりたての野党党首を騙す官僚のような、うすら笑いのごまきさん。ええいままよ!

「じゃ、いただきます!」

そういって僕は運命の液体を喉に流し込んだ。
そして間もなくして、ぐおぉぉぉと喉が燃えるように熱くなり、体は突然の謎の液体に拒否反応を起こして震え出した。すぐさまライムを口に放り込む。
足りない!
店員に駆け寄って「ライムもう一つ!」と叫んだ!

僕は店員から奪いとるようにライムを口に押し込み、ごまきさんに聞いた。

「なんすかこれ!!」

「奢るからもう一杯いこう」

ぼくは聞いたはずだ、なんですかこれ?って。質問をスルーしてバカルディがもう一杯僕のもとに現れた。質問を質問で返すという某関西凄腕ナンパ師さんの、マルセイユルーレットならぬ、質問をアルコールで返すという名付けてバーバリアン(野蛮人)ルーレットを繰り出した。
誕生日の僕がしかし、奢られた酒を飲まないのは失礼だ、そう思って僕は震える体を押さえつけ、続けざまにもう一杯のバカルディを流し込んだ。毒と知っていて毒を飲んだ。熱すぎる。もはや喉元に砂漠の灼熱の太陽が輝いているようだった。ホントに体が震えている。こんな反応をする僕の体を、僕は知らなかった。死んでしまうんじゃないかと思った。

「だからなんなんですかこれ!!」

熱さと弾丸のような衝撃で混乱する僕に、ごまきさんは親切に体言止めでこういった。

「75度の酒」

…知っているだろうか。世界で有名なスピリッツのジン、テキーラ、ウォツカ、ラムなどは基本的に40度前後の酒である。しかもショットは通常30mlを飲むものだ。それを約1.5倍のアルコール濃度で、1.5倍の量を二杯飲んだことになる。テキーラショットで言えば約6杯分なのだった。それを約一分間で僕は飲んでしまった。普段は生中二杯を一時間かけて飲んでいい感じになる僕が。よい子は絶対にマネしたらアカンやつやん…。

「じゃ、クラブいこうか」

冷静なごまきさんの後に続き、体が火球のようになった僕は、ものの五分程でHUBを後にした。ああ、そう言えば雪が降ってたな…辺りは雪で前が見えない程だった。僕は思っていた。欲望を出してない事とバカルディに何の関係があんねん…てかライムがうまかったな…HUBにこんな酒あるn…75度の…sじゃふkgjbりおが

「よっしゃーー!!!!!」

僕はバカルディを飲んで二分でバースト(爆発)した。

ごまきさんはその日、プロメテウスと化した。プロメテウスは天界の火を人間に与えた存在だ。人類は与えられた火によって大いに繁栄したが、同時にそれを用いて戦争を始めてしまった。しかし悪いのはプロメテウスでも火でもなく、それを扱う人間だと言う事なのだが。
アルコールとナンパはプロメテウスの火なのかもしれない…。

そんなこんなで僕はもうふっらふらだった。雪で足下がおぼつかない上に、なんだか笑顔が止まらない。零度以下の気温が僕にはジャングルのような気温に感じられ、歩いている人全員がアミーゴ状態。ビートゥギャーザ!ビートゥギャーザ!今夜は!と全盛時代の小室とか安室とかが舞い降り、今日はみんな俺のリサイタルにあつまってくれてありがとう!変なおじさんだよ!沖縄のみんな〜、二階席のみんな〜、アリーナのみんな〜!!!よっっっっしゃーいくぜー!!!!と、もはや脳内の全てがカオスと化した。で、クラブにインした。

俺が来たゼーーーーーー!!!!!!!(いつものテンション上がった僕ですね)

入り口で早々女の子集団とすれ違う。みんなきゃわいい〜!女の子にはまるで家族のような気軽さで絡む。もはやこれは絡むと言うより、絡み付く感じだったと思う。

…思う。

そう、記憶が曖昧なパーティーの始まりだった。超絶勢いナンパ野郎のノッキンオンへブンズドア!!

そんな僕に更にテキーラをショットで煽るごまきさん。そして気が付くとダンスフロアに突入していた。それはもう踊り倒した。僕はもう勢いしかなかった。そしてなんでい、こんちくしょう、地面が曲がってんじゃねーか!と怒っていた。曲がってんじゃねぇこのやろう!踊りにくいじゃねーか!もちろん曲がっていたのは僕の三半規管である。

30分後、曲がった地面で踊り疲れた僕は一度フロアを離れた。ごまきさんは見当たらなかった。というか視界がぐわんぐわんして、ラリパッパだ。ラリパッパオズはふふふんふ〜んとミッキーマウスみたいに軽快に口笛を吹いてバーへ向かった。するとそこに女の子2人組が男2人に絡まれているのを見つけた。女の子らは入り口で出会った子たちだった。そして女の子らは明らかに男に対して離れたがっている態度だった。腐っても鯛ならぬ酔っていてもオズな僕は、妙な所を冷静にそれを見逃さなかった。僕は「ダサメン強引ナンパ防止委員会」の委員長としてそれを少しでも助けるつもりで、片方のショートヘアの子に話しかけた。

「さっき会ったよね!」

「あ〜ほんとだ!」

スペイン人みたいに僕は陽気に話しかけた。さも、僕たちローマ帝国時代からお友達なんだけど、このダサメンなんなの?シマムラで買い物しても、それよりオシャレになれるわハフ〜ン、みたいな態度で男2人組を制した。ショッカー対仮面ライダーみたいに秒殺だった。
そして僕はあらためてぐるぐると回る視界の中でその子を見た。細くて背が小さくてショートヘア。可愛かった。もう片方の子は別の男と話し出していた。そんな僕らは、ショッカーの逃げた姿をあざ笑いつつ、北の国からは次の展開どうなるのか、もういくとこまでいったから南の国からにしたほうがいいじゃないかとか、そんな事を1分程話したろうか、チューしようとした。
もちろん引かれた。バカルディという炎でまさしくバカになった僕は聞く。(僕のテンションの高さを!と?マークの数で表しています)

「いやなん!!!!!!!」

「いやいやいや…」

「友達おるから?????」

「…」

これ友達おるからなだけやん、と察した僕は畳み掛けた。

「じゃちょっと二人きりにならへん??????」

「え〜友達いるし」

普通に考えたら当たり前である。そもそも和みを全く入れていない。話し始めて2分くらいだ。北の国からの話しただけでお前だれやねんである。もちろんオズの中の人は倉本聰ではない。

「一瞬だけ!!!! 一瞬だけ!!!!!!!」

倉本聰のシナリオなら絶対に出てこないヘタクソな誘い文句。発情した中学生のような台詞だった。そう言って彼女の手を引きクラブの入り口に向かって歩き出した。案外いやがらない彼女。会って4分経過したくらいか。もうカオスは始まっていた。運命はロマネスコのように。

「え、どこいくの? 鍵とか友達だし、それにどこにも行かないよ〜」

「一瞬や、大丈夫や!!!エントランスは俺がまただす!!!そやからまた入ればええ!!!!!」

「え、え?? そと?? 外なの!?」

戸惑う彼女を尻目に、半袖Tシャツの僕は、吹雪の街にワンピース一枚の彼女とともにクラブから飛び出した。刺すような冷たさと雪が僕らのさらけ出した皮膚を襲った。クラブの中での余熱がどんどん冷めていく。でも僕は心地よかった。そして彼女はというと展開早すぎてもはや意味が分からんと言った様子だった。
ちなみに彼女はシラフだった事が後に判明している。

「なになにどこいくの?????」

戸惑いながらも、彼女は楽しそうだった。さむいさむいと体を寄せ合いながら、僕らは雪道を走った。ホームアローンマコーレー・カルキンのような陽気さで。
だが、実のところアテなどなかった。アテなどないけれど彼女に寒い思いをさせてはいけないと(連れ出したお前が何を言う)、僕は近くのとある雑居ビルに入った。二人きりになるスポット…もう化粧室しか浮かばなかった。僕は彼女を引き連れていった。
これじゃまるでおバカな映画のようだと思いつつ、あれよあれよと言う間に僕と彼女は求め合った…。



それから約十五分後だろうか、夏のような格好をした僕らは、同じクラブへ再入場した。彼女は友達をすぐに見つけじゃあまたね、とフロアに帰っていった。

…ここまで、彼女と会ってから30分間の出来事だった。

もう、意味などわからなかった。なぜあんな急展開になったのかも、なぜ彼女が受け入れたのかも、なぜ僕は外にいたのかも。しかしこの日、街は真っ白になり、普段はワンダーランドを求めにクラブに行く世界が逆転していた。クラブより街がワンダーランドそのものだった。

結局再入場したクラブで最後まで踊り明かした僕に、彼女からメールが届いていた。また会いたいと。そしてクラブの外で暗黒卿こと、黄門様こと、プロメテウスこと、ごまきさんにそれを報告すると、特に顔色を変える事もなく僕に言い放った。



「今からストりますよ」



「え?」





_______________________






ルールや、やり方や、こうじゃなくてはならない、と言ったもの、それは実は全て自分がリミッターになっているんだと気が付いた。クラブからお持ち帰りするには、声をかけて、和んで、連れ出しを打診して、あわよくばホテルや漫喫に直行して、クッションを置くなら居酒屋に行って、なんて行程が当然だと思っていた。
でも、実際はそんなルールも基本も何もない。現実とそれを動かす主としての自分がいて、本当は誰でもどこでもミュージカルスターのように歌を歌い出せるし、告白できるし、全裸になる事もできる。僕はバカルディによって男としてカッコつける事も、ナンパのフォルムも、まっすぐ立つ事も失ったが、それがまさに欲望をむき出しにした、ありのままの僕だったとしたら…。夢だけど、夢じゃなかった…。

1月、毎日のようにナンパに出て、クラブに行き倒して1ゲットだった僕は、2月、7ゲットになった。



一晩を共にした男女関係をキープするためにすべき【51】のこと

セ_クス後も、再び逢瀬を重ねることを世間では「セフレ」とか「キープ」とか「いい関係」とか「第二の家」とか「シャチョウさん」とか言うけど、それに至れないっていう人をたまに見かける。
男女の出会いは会社内、バイト内、学校内、ストリートナンパ、クラブ、合コン、キャバクラ、出会い系サイトなど世の中には様々なものある。そしてその中でうまく事が運び男女の関係に至ることがある。
しかしそうして一夜を共にしたあとも、再度会ったり連絡を取り合う関係になるのができないというのだ。たとえナンパがうまい人であっても、合コンマスターみたいな人であっても、二回目がないと悩む人がいるのだ。


そんなことを聞くにつれ、では、それが出来る人とできない人の違いが何なのか、根本的な所から、めちゃめちゃ細かいことも含めて、僕が思う「キープ」(語感は賛否あるとして今回はこれで統一します)をどうすれば作れるかについて、実践項目を【51個】あげてみた。
尚、お金持ちである、イケメン、美女になるなど万人が真似できないもの、個別の相性の良さなどは省いて考えた。

f:id:OZZ:20140513112159p:plain

 


1・理由がない限り遅刻とかしない。1分前到着は遅刻と思え。

2・最悪遅刻したら汗だくか裸足で登場し、夏ならばアイスクリーム、冬ならばホットコーヒーをどうぞと参上する。

3・歩調を合わせて歩いてあげる。

4・男ならお店に入る時、出る時、どんな時もレディ・ファースト。女なら中途半端に遠慮しないでスマートにそれを受けて振る舞う。

5・食事後なら何気なくガムとかミンティアとかすっきりするものをあげる。

6・家やホテルに上がる時、靴をそろえる。相手のものも。

7・相手が家やホテルに上がって靴をぬぐ際、手荷物を持ってあげる。

8・コートや上着を脱ぐ時、何気なく預かる。

9・そしてそれをちゃんとした肩のあるハンガーにかけて、「ここにかけとくね」と優しく伝えておく。

10・勿論着るときも着させる。相手が上着を取りに行く前に察して先回り。

11・あつい?さむい?乾燥してない?など、部屋の温度湿度をそっと気にしてあげる。

12・飲んだ後や、仕事終わりや、まだ飲み足りない感じを察しつつ、相手が座ったくらいで何か飲む?と状況に合わせて提案する。

13・アイスクリームやケーキといったスイーツもある。

14・インテリアはオシャレにしておく。

15・オシャレにする自信がないなら、いらないものをほとんど捨ててスッキリさせればマシになる。

16・当たり前だが、風呂場やトイレの水回りから、ガスレンジ、電子レンジ、冷蔵庫の中までなるべくきれいに掃除しておく。

17・できればどんなセ_クスが好きか、どんなセ_クスが嫌だったか、ことが始まる前までにヒアリングしておく。

18・ヒアリングしたものを生かし、できればそれ以上のものを提供する。

19・情熱的且つ繊細で積極的なセ_クスをしておく。マグロなど、ベッドは築地じゃないんだから論外。

20・セ_クスの後、男ならすぐ寝ないでささやきトーク。

21・セ_クスにおける後戯こそ腕の見せどころ。AVいくら見ても後戯なんてわからないから、相手がどうされたら嬉しいか考える。ここをサボってきたから誰一人キープできなかったものと思え。

22・お風呂場のシャンプーやコンディショナー、石鹸などは天然系で香りが良くて、品質のいいものが置いてある。

23・バスタオルがトトロのお腹くらいふかふか。

24・脱いだ服、使ったタオル、借りたパジャマなどあれば綺麗にたたんでおく。

25・相手のものもたたんでおけば尚最高。

26・自宅で朝起きたら何飲む?と聞いて、珈琲、紅茶、ハーブティー、スープ、味噌汁、スムージー、その他あらゆる種類の飲み物を提案できるようにしておく(インスタントでも可、ないよりマシ)

27・なんなら相手が起きた瞬間には、簡単でも朝食が準備されている。

28・その朝食が前日に作りすぎた手料理の残りとかでも意外にナイス。

29・ましてちゃんとしたフレンチトーストやパンケーキ(ジャムやバター、はちみつなどトッピングの豊富さもウリにして)、焼き魚や味噌汁、おひたしとかまであれば絶対もう一度来る。

30・朝食要らない派の相手にはヨーグルトやフルーツなどさっぱりしたものでもいいから一応提案する。朝食摂ったほうが調子いいわってなったら勝ち。

31・朝食を作ってもらった側の場合、洗い物を率先してやる。

32・相手も気を使える人の場合、洗い物はいいよって言われるから、相手がトイレとかいってる隙にやり始める。

33・洗い物の手際がいい。

34・生ごみのとこやシンクまで綺麗だと更に+50点

35・多少リスクはあるが、相手が興味をもった本、DVD、CDなどを貸す。返す口実で会えるし、いらなそうならもう次がないってことかもね…。

36・去る時は「次いつ会える〜?」とか、ねちっこさを捨てて爽やかに去る。

37・その時笑顔を忘れない。去り際の顔は大事。

38・セ_クスにばかりがっつかない。あくまで心地よい関係とエロスを意識する。

39・絵画、彫刻、映画、演劇、建築などなんでもいいが、芸術の一つや二つは語れるようにする。

40・漫画、ゲーム、テレビ、本など、文化の一つや二つは語れるようにする。

41・旅行、ご飯、アウトドア、手芸、スポーツなど、趣味の一つや二つは語れるようにする。

42・政治、経済、国際情勢、倫理など、社会問題の一つや二つは語れるようにする。

43・でもドヤって感じで披露しないし、相手が違うオピニオンなら優しく認め合う。

44・キープには、20代後半以降あたりの相手か、恋愛経験をある程度積んだ相手を狙う。そうじゃないと惚れられてややこしい事になる。

45・可能なら、今は彼氏彼女作る気はないけど、なんでも相談できるし気が合うからまたあいたいなどと、こちら側の意向も伝えておく。

46・次回のデートなどをさり気なく提案しておく。できれば今回とは少し趣向を変えたものなら尚いい。

47・大切なのは共感や共有であり、安心感である。

48・それでいて相手にないもの、刺激を提供する。

49・動物、植物、子ども、お年寄り、地球環境に優しくする。

50・常に相手の好意に感謝を感じ、ありがとうをきちんと伝える。

51・これらの項目を全てさり気なくやる。やってるぞ感ほど寒いものはない。




要はそれなりにできた人間になれってことやないかと笑。

まぁこれらって、いわゆる「落ち着く」「楽しい」っていうこの2つ言葉に集約されると思う。この2つは静と動みたいな関係にあって、この振れ幅が大きいほどエキサイティングでいい時間を過ごせた、と感じるんじゃないかな。例えるならずーっと平坦なジェットコースターよりも急降下したり、回転したり、止まったかと思うと猛スピードになったり、暗くなったり明るくなったり、そういうほうが面白いでしょ?飽きないでしょ?

あとは、なぜ相手が自分にもう一度会おうと思うのか?を考えることやなと。
大抵の人は恋愛をする時、相手から提供されるものに目が行きがちで、ああされたい、こうされたい、ああしてくれなかった、こうしてくれなかったとか言い出す。そんなもん、自分ができてないのに要求するとかお門違いですよといいたい。なんでもくれくれ言ってくる奴といて楽しいかってこと。
そこを考えずして、上記の小手先テクを使ってもうまくいかない。それは、結局、自分がどれだけのものを提供できているか、逆に提供されたものに感謝できるか?という根本が理解できていないから。だから闇雲にワザを使ってもメッキはすぐに剥がれてしまう。さすがに毎回こんな対応してたらしんどいし。

逆にそれらを考えずして、ひとりよがりに恋愛できる人は、一番最初の方に述べたお金持ち、美男美女、社会的地位のある人、そういう人だけですよ。でもそう言う人でも気配りとか出来る人はできるし。だからただのお金持ちはお金がなくなれば終わり、美男美女は老化したら終わり、地位もなくなれば終わり。

ほんとこういうのって、自分がもう一度会いたいと思った人の事、それにホテルとか旅館とかレストランにおけるサービスを考えたらいいんじゃないかって思う。まぁそれも何気ない気遣いに気付く意識が必要やけど。

ノッてるね☆猿でもできる最強酔拳ナンパ 〜朝焼けの2月篇・その1〜

2月3日、節分、夕方。
僕は渋谷に向かって自転車を鬼漕ぎしていた。仕事を終わらせ、私服に着替え、意味がわからずテンションが高かった!なんや、なんなんや!この心から溢れる身体の躍動と精神の高揚は!ワケもわからない感情に自転車による鼓動の高まりが相重なり、

「ムテキーング!!」

とか叫びそうだった!今日は冬のくせにめっちゃ気温高いやないか!2月で18度もあるだと!?
もはや俺、常夏ボーイ\(^o^)/……

f:id:OZZ:20140508221454p:plain

……実はこの前日、今はナンパクラスタをやめてしまったよぅしさんと、2013年秋ごろによく一緒にナンパしていたロゼくんと、最近一緒にナンパしているmenonsoupさんと渋谷でお茶をしていた。よぅしさんは相変わらずの頭脳明晰っぷりに加え、情緒を重んじる素晴らしい方だったし、ロゼくんは一旦ナンパでは落ち着いたとはいえ、一時期は怒涛の即を生み出したノリを忘れることなく、menonsoupさんはその日もクールな落ち着きとユニークなナンパ分析を繰り出していたのだった。

僕はというと1月の「文学的ミカン準即 feat.きゃりーさん」のみで結局2月を迎えており、ナンパ師として絶望の淵どころかマリアナ海溝の深淵にいる、ナンパ死だった。めちゃくちゃ勉強してるのに全然成果に出ないし、出たと思ったら青果だし……らっしゃい。

そんな会合の後、よぅしさんとmenonsoupさんと別れ、少しだけロゼくんとナンパをした。
ロゼくんは久しぶりに僕のナンパが見たいというので、しぶしぶ夕日の渋谷で一発ナンパを絞り出した。ドキドキする鼓動、何人か美女をスルーする地蔵っぷりを発揮しつつも、どうにかささっと声掛け。少し和んだがバンゲにはいたらなかった。じゃ、と言って、声掛けした女の子が遠くに去っていく。その背中を見つめながら僕の見た目の世界は、もはや色を失い白黒になっていたのだった。
そしてこころの中ではこう思っていた。

「あかん、ほんまあかん、わいはもうナンパ向いとらんのや。ストリートで声掛けてセ_クス? 絶対嘘やん、都市伝説やん、無理やん…リームーやん」

そうして振り返り、遠くに見えるロゼくんの元へ戻る。

「あ〜オズさん、もはや【お杜撰】やん、それとも滅菌処理されたオゾンさん?てか乙さん?」とか言われるんやろな〜、と思いロゼくんに近寄って、恐る恐るどやった?と聞くと彼は言った。

「いいじゃん、前と何も変わらないよ!全然大丈夫だよ!あの頃(秋ごろ)一緒にやってた時に一発で連れだしてたノリでやれば。何も考えなくて良くない?自分らしくやれば?あの頃すごかったよオズさん!」

…え(;´∀`)

…そうなの(・_・;)

…そうだったの(・`ω・´;)!

その一言に僕は戸惑いと照れを隠せなかったが、同時に秋ごろのロゼくんと繰り出していた自分の姿がまざまざと浮かんできたのだった!!
その頃僕は確かにそうだった。
意味不明なほどにナンパできるわ余裕やわと自信があったし、ナンパしなければというプレッシャーもなかったし、何よりナンパをめちゃくちゃ楽しんでいたのだった!!
ありのままでいい、たのしめばいい、やりたいようにやればいい、お酒はぬるめの燗がいい!!

これや\(^o^)/

f:id:OZZ:20140508222143p:plain

_______________________

 



「ムテキーング!」

 

 

と心の中で叫んで俺は(←調子に乗って俺に変わる)道玄坂に着いて自転車を止めた。
18時、渋谷、晴れ、気温18度。

「みんな〜、俺の街に俺がきたで〜!」

勿論心の中でだけでそう叫び、俺は一路、道玄坂のコンビニに向かった。
ストロングゼロを買い、仕事帰りのリーマンやOLが行き交うコンビニの前で座りながら、一人でニヤニヤしながら飲んだ(月曜日の18時です)。
あ〜、会社帰りの皆さんガッツリ俺の事みてるわ〜、そらこんな時間に一人で缶チューハイ飲んでるんやもん、みるわな。
でも今日は気温が高いし、平日休みの常夏ボーイは誰にもとめられへんよ〜\(^o^)/

・俺はアルコールに頼ってナンパすんのなんかアカン!と思っていた…即行捨てた。

・ずっと勉強していたコールドリーディング…どうでもいいから忘れた。

・斜め前からプライベートゾーンに入らない位置からの声掛け…行きたいとこから行くわ。

・酒が弱いからすぐに酔ってきて人目が…気にならなくなったワッショイ。

・声掛けの時は同調…そんなもん俺の楽しい気分についてこいや。

・最高の笑顔…酔ったから常に笑顔\(^o^)/

少し俺の街(渋谷)を歩き、俺は思った。
俺はふと渋谷を、俺の街でありながら、まるで知らない街のように眺めた。見慣れた渋谷も、俺が海外から来た旅行者やと思うと、なんてエキサイティングで、オリエンタルで、トレビアンな街なんやと。スシ!ゲイシャ!!
そして深呼吸をする。新鮮な排気ガスを吸い、アゲアゲになった!
よし、もう一本スミノフや!

そしてスミノフを飲みながらロシアの酔っぱらいみたいな真っ赤な顔して俺はナンパを開始した!

109前の横断歩道にギャル発見!

「おねぇ…」

ガンシカ\(^o^)/

だが今日の俺はガンシカをエネルギーに変える程にアゲアゲだった。言い換えればドMだった。
そしてあることに気がついた。
今日は節分、一年に一度しかない節分やないか!豆や!と。そして真っ赤な顔した赤鬼どんの俺は福を探してセンター街へ。
フワフワした足取りで歩いていると、俺の前から一人のシンデレラが歩いてくるのが目に入った。全身白っぽいフワフワした服に、ぱっちりおめめの女の子。言うなればしょこたんに結構似ていた。そしてなぜか片手にホールケーキの箱を持っている。俺はあえて一旦スルーした(地蔵ともいう)。
その子=白子とすれ違う。俺は即座に振り返った。そして5秒立ち止まったのち、

「地蔵、バイバイ☆」

と爽やかに地蔵の背中を見送り、白子を追いかけてアゲアゲでこういった。

「でっかい豆持ってんな〜!!」

「え?」

「それ(ケーキ)、でっかい豆やろ?これからまくんやろ?」

「違いますよ、ケーキですよ」

「豆ケーキ?」

「違いますってw」

「節分にケーキまくの?」

「まくわけないじゃないですかww」

クソしょうもない声掛けをハイテンションでやってしまう\(^o^)/そして白子に言われる。

「酔ってるでしょ!」

「…俺酔ってる!もう一件行こう!」

「もう一件てw 帰りますって、あたしお酒弱いし」→これ連れ出せるやつや〜ん\(^o^)/

「俺も弱い!だから大丈夫!飲まなくていいわ、ご飯食べよ!30分だけ!」

「え〜」

道玄坂登ったとこに最高の居酒屋(コスパがな)あるからそこいくよ!」←展開を決めつけました。

そんなこと言いつつ、もはや白子と腕を組みだす俺。

「今日だけ彼氏と彼女や!」

「え〜なにいってんの〜(*´艸`*)」

「行くよ〜!」

ナンパとは不思議なもんである。白子は腕組みを別段嫌がらない。出会って3分なのに…。
白子と俺様(←様がついた)は即席で恋人になった。
正直俺様はもうここで勝利を確信した。これ、直でホテルでもどこでもいけるやつやなと。野生の勘やけどそう思った。
でも俺様はお腹が空いたので某激安居酒屋に向かう。そして女の子の話もきかずに、ものすごく適当な決めつけトークをしながら道玄坂を登ると、いつも行ってるはずなのに、目指していた居酒屋がなぜかわからなくなる(;´∀`)
仕方無くちらっと見えた近くの、某アレが旨い店に入った。
無論、俺様が食いたいからである!

ワイワイと賑やかな店内。リーマンとリーマンの間の横並びのカウンター席に通される。個室?
無駄に警戒されるくらいやったらありのままでええわい\(^o^)/

そして一杯くらい行こうぜと、レモンサワーとグレープフルーツサワーで乾杯。食事しながらハイテンションで仕事の話、恋愛の話をし、とりあえずガチで可愛いからガチで褒め倒す。
ネグ?
マリアナ海溝に忘れてきました\(^o^)/
上辺でもルーティンでもない褒め。本気褒め。更に褒めていると白子の彫刻刀の丸刀のようなやや警戒のある目は、まるで魔法にかかったかのようにとろんとしだし、クレープ屋の前で指をくわえる4歳の女の子のような顔つきになった。
そしてカウンターに座る白子のフトモモが見えた…

「…出るぞ!(色んな意味で)」

そう言って白子と手を繋いで外に出た。

「行こう!」

「どこに〜?」

「あっち!!」(ホテル街を指して)

「え〜?」

「え〜とかいいつつ、もうわかってるやん」

「なにもしない?」

「…する!」

ホテルイン!ベッドイン!ノーグダ…!
そして心の中でこう叫んだ。






「ムテ・キーング!!!」

f:id:OZZ:20140508221454p:plain
____________________




1月からストナンで惨憺たる坊主のシャレコウベの山を築き上げた僕は、全て忘れるという境地(ただの酔拳ともいう)に達して、即をした。勿論即系だったのかもしれない。運が良かっただけで実力とは無関係かもしれない。
でも、それでも僕にとっては大事な結果だった。そしてありのままの自分に一度帰れたこと、思い出せたことが、嬉しかった。ロゼくんの顔が浮かんだ。

ぶっちゃけ、忘却の境地にいたとはいえ、これまでに培った数々のワザは、実は随所に勝手に出てきた。だから決して学んできたことは無駄ではなかった。それと同時に、沢山の人に出会い、教わったことが今につながっていると感じた。
結果が出ないで一人で悩んでいる人は、色んな人と合流してナンパすればいいと思う。

ナンパは一人でするもんや?

犬に食わせろ!!

その後白子とはたまに連絡を取るものの、もはや二度と会えないだろうと思う。一瞬で出来上がった即席の恋人は、その熱量を失い、すぐさま散灰してどこかへと消えていってしまった。
多分その熱量は、あの時、あのホテルのゴミ箱の中に捨てられたのだと思う…。

 


そうしてこの2月の週末、僕は大雪の中、クラブで野生に返り、色んな意味でイッてしてしまうのだった。




2月篇・その2へ続く。




何処かで萌ゆる山桜を探しに

新幹線がびゅうびゅうと列島を突き進む。僕は仕事で東京から京都へ向かっていた。
四月の半ば、季節は冬から春になり、山の稜線がぼやけた茶色から美しく萌ゆる緑に変わっていた。窓から見える山々の、濃い緑色をした針葉樹林と昔からの広葉樹林の黄緑色のコントラストがうつくしい。そんなコントラストの山、実はそれですら「本当の自然」ではないのだけど、今や大部分の人が田んぼや畑、林業に最適化された山の風景を自然と呼ぶ。
いつからか、そんなことにも気がつかぬくらいに僕は都会の東京の生活になれ、テレビのお天気コーナーや、設えられた街路樹で春だなぁなどとぼやいていた。季節を感じるのは見るというだけじゃなくて、過去の記憶と合わさってそこに在る、と感じる感覚なのかなと思う。

最近、目標や夢はどこへ行ったんだろうと思うことがある。
アラサーになり、仕事をし、それなりに生き、そしてクラブとナンパに出会い、それなりに楽しい日々が続いている。それなりでいることが不幸せだとか、そういうことは思わないんだけど、はるか遠くの目標にむかって本当に進めているのだろうか?なんて思うことがある。
例えば、本当に自分がいいと思う女性に出会い、そしてナンパし、口説き、セ_クスをし、いい関係を築けているか? あるいはセ_クスをしなくともそうなっているのか?

そんなことを考えながら300キロで過ぎ去る田園風景と、モリモリとしたブロッコリーのような山の表情を見ていると、たまにそのモリモリの中程に、白っぽい薄いピンク色の木があることに気がつく。

山桜である。

緑のグラデーションの中でまさに薄紅をさしたようにひときわ目立つ山桜。どこからか種が飛んだのか?はたまた大昔に誰かが植えたのか?それは今となってわからない。けれど、ブロッコリーに浮かぶ可憐で控え目な山桜は、男だらけでごった返すクラブに居る美女のようだった。

f:id:OZZ:20140506230548p:plain




僕の実家は、高度経済成長が終わりを迎えたころに作られた、ニュータウンの中にある。山を切り崩し、そこにみっしりと建てられた一戸建ての同じような家々。その中程に位置している。元々そこらは山や丘なものだから、坂道が多く、それがマウンテンバイクでただただ一気に下るという単純な遊びにもなったし、雪が降ればソリを引っ張り出して兄弟と日暮れまで遊んだものである。

そんな丘の町(笑)で、僕がまだ太ももを隠さないほどのショートパンツを履いて、友達とマウンテンバイクを乗り回して遊んでいた小学校3年生の頃。僕は近所の山に、山桜を見つけた。山桜は山の中腹に位置し、遠くから見えるそこはまるで緑の中のオアシスのようだった。春休み、毎日のように同じ友達と遊び、同じことの繰り返しに自由を持て余していた僕は、同じく暇そうな顔して、血が出るんじゃないというほど鼻くそほじる友達に言った。

「あの山桜まで行ってみーひん?」

めんどくさがりな友達は断る理由を見つけられず、僕の思いつきに同行することになった。山はというと、わずか300メートルほどの高さの小さな山だった。迷ってもまさか死なないし、何度か親父と犬を連れて道なき道を練り歩いて、てっぺんを目指したもんだった。

その日も僕は友達を先導するように道なき道を登った。松やら樫やら小楢が生い茂り、足元はふかふかと落ち葉で作られた地面から、それを覆い隠すように鬱蒼とシダ植物が生い茂っていた。さらけ出した足首やふくらはぎをシダがさらさらと撫でまわす。くすぐったい上に時折チクッと何かが刺さったり皮膚がシュッと切れたりした感覚があった。

山に入ってしまうと当然のことながら、山桜は見えなくなった。入る前に最後に確認した山桜。そこへは、完全に目視での方向感覚だけでたどり着かなければならなかった。なんとなくの太陽の方向と、木々の間から見える景色や全体像でおおよその自分の場所を思い浮かべる。もちろん当時はGoogleEarthもストリートビューもなければケータイもなかった。(そもそも今もストリートビューがあるような町ではないが笑)誰も踏み入らない山には案内看板も、道しるべもないのだった。

歩き出して三十分くらいだろうか、少しだけ開けた場所に出た。休憩しよう、そう言って僕と友達はもっこりと突き出した赤松の根っこと、ゴロっと転がっていた石の上にそれぞれ腰をおろした。

「疲れたなぁ」

「こっちにほんまに桜あるん?」

「…あるやろ。大丈夫やって!」

「うわ、ふくらはぎの裏、ちょっと切れてるわ」

「ほんまや!てゆうかめっちゃ痒い!」

「もう蚊がおるんやで」

そんな他愛のない会話をして俯いた僕はふと、腐りかけの松葉の地面の上に白い棒のような破片が何本も落ちているのを見つけた。僕は瞬時にそれが何か気がついた。

「骨や!」

僕は驚いて慌てて赤松の根っこから立ち上がってそこを離れた。背筋がすっと寒くなった。

「……」

無言で凍りついた僕に友達は言った。

「骨やで!オズくん、はよここ離れよ!!」

僕と友達は慌ててそこから走って山を駆け抜けた。あの生き物を骨にした何者かが追ってくるのではないか、それは獣なのか人なのか?周りは木に囲まれ右も左も分からなかった。でもやはり何かに追われている気がした。後ろを振り返るのすら怖くて、友達が鳴らす足音だけで、とりあえずは一緒にいることだけはわかった。
ただののどかな木漏れ日の場所が、一瞬で死を匂わせる不気味な場所になった。 そうして訳も分からず走り、息も絶えだえになってきた。アスファルトと違ってデコボコしておまけにシダのせいで着地点の見えない斜面を走ったせいで、膝がガクガクとしてくる。そしてあろうことか、急斜面で足を取られ転んでしまった。そのままズルズルと斜面を滑り、僕は必死にその辺に生えていた木の根元に掴まった。そしてどうにか自分の体重を腕一本で支えて止まった。鼻の間近に迫った地面からは湿っぽい土と腐った松葉の匂いがした。肘あたりに擦り傷があるのかそこがジンジンと痛んだ。そしてふと気がついた。

友達がいない。

後ろを走っていたはずの友達の姿はどこにもなかった。山の中にただ一人になっていた。大声を出して友達を呼ぼうとした。
が、ギリギリになって慌てて口を塞いだ。ここで大声を出したらあの生き物を骨にした主が来るかもしれない。それがイノシシの仕業だと思うと体がピクっとなった。そしてそれが得体のしれない人間の仕業だと思うと…これ以上は考えたくなかった。
僕は静かに態勢を整えた。友達はどうしよう?戻って探すか?少し考えたが、言ってもここは小さな山だ。とりあえず下ればどこか住宅街か道には出るはずだった。なので戻るのは現実的ではない気がして、僕はとにかく山を降りることにした。裏切りといえばそうかもしれない。でもその時は、大袈裟だが自分の命が惜しかった。

僕はゆっくりと山を下りだした。湿って腐った落ち葉だらけの斜面に足を取られないよう慎重に進む。急にしんとした静かな山に一人でいるのが怖くなった。心地よい小鳥のさえずりは一転して孤独感と恐怖感を増長させる合図に変わった。
ここで誰かに襲われても助けてもらう相手もなく、死ねば人知れず腐って誰にも見つからないんだろうなと子どもながらに思った。
木につかまりながら下る。掴んだ松の樹皮のヒダヒダが、ぼろぼろと崩れて汗ばんだ手にまとわりついた。耳元をプーン、プゥーンという高い音をさせてハエだかなんだかわからない虫が飛び交う。僕はまだ死んでいない、どうして寄ってくるんだ。もしかして虫は僕が死ぬことを知っていて付いてくるのか?
もはや僕の頭の中はネガティブなことでいっぱいになっていた。地図も磁石も、大した目標も持たずに闇雲に突き進んだ結果がこれである。本当に見たかった山桜はどこかに消え失せ、後に残ったのは身体中の傷と疲労と孤独だった。
木々の隙間からはあの平凡な新興住宅の町並みが見える。あれほど画一的で退屈と思っていた町並みがその時は柔らかで平和な場所にみえた。
春とはいえまだ日暮れは早く、昼間の白くて陰の強い日射しから、少し橙色をした弱々しい日射しへと変わっていた。
あそこに帰ればどこの家からか焼き魚や出汁の香りがし、母や父が作った家庭で魔法のようにご飯やおやつがでてくる。
走馬灯のようにそんなことが浮かんで、それが森の中での希望なのか絶望なのか、大げさかもしれないけれど、その時の僕には死活問題として浮かび上がってきて、僕の目はいつでも大粒の涙を流せるほどにうるうるしていた。

少し斜面に足を取られそうになって、僕はすぐ横の木を掴んだ。
しかしその手の感触がこれまでも松の幹と違っていることに気がついた。僕はその掴んだ幹を見つめた。チョコレートブラウンの少しツヤっとした樹皮。そしてポッカリとなんだか明るい一角だった。

ふと見上げると僕の頭の上には桜が咲いていた。

その一箇所だけがおとぎ話の蓬莱山のように華やかだった。そんなに大きな木ではないし、むしろ華奢でいびつな枝葉だったけれど、その山桜の美しさには嘘がなかった。
ひらひらと数枚ずつ落ちる薄紅の花びらは腐葉土の茶色い地面を、ピンクのドット柄に変えていた。
こんなことがあるのだろうか。ただただ彷徨っただけの山中で偶然にしても出来過ぎた出会いだった。この山桜が目指していた山桜かどうかはわからない。むしろ僕は、あの骨を見つけた時点で瞬時に何者から首を斬られて殺され、とっくのとうにどこかで死んで、途中から死後の世界にいるのかもしれないとすら思った。
僕はその美しさにしばしの時を忘れ、見入った。もはや恐怖や孤独を忘れて…。




どうにか山を出て、置いていたマウンテンバイクのところに戻った頃には、すっかり辺りは薄暗くなっていた。僕の友達は30分も前に下山し、僕を待っていてくれた。友達はズボンの股間あたりに手を突っ込みながら、寒いからはよ帰ろう、とブルブルしながら言った。
僕は山桜を見れたことを嬉しくなって話した。しかし友達はふーんとばかりに関心もなく、鼻くそをほじって食べているのだった。そして骨の話などすっかり忘れてそれぞれの家路についた。

自転車を漕いでいると、どこからかおでんのような香りがした。
飽き飽きしたような、同じ家が並ぶ住宅街の窓からは、オレンジ色の電球の色や白っぽい蛍光灯の光が溢れ、ゴミ出しをするおばちゃんや、かすかなシャワーの音や、車がバックして車庫入れする風景に出会った。

帰宅するとすっかりご飯の用意ができていた。ご飯と昨日の残りの煮物と湯気が立ち込める酢豚が並んでいた。薄汚れた服を見て母は僕に言った。

「あんたどこ行ってたん?」

「山」

「なにしに?」

「山桜見に。見れてんけど途中で骨があってな」

「なんでそんなんみたいねんな。その辺で桜咲いてるやん」

「そやけど」

「骨はタヌキとか勝手に死んだやつやな。はよご飯食べ」

母は一瞬で問題を解決した。
後日もう一度、僕と友達は懲りずに山桜を見に山に登ったが、この時も場所がわからなくなり見ることはできなかった。あれが偶然だったのか、それとももしかしたら幻だったのかは今もわからない。



すぎゆく窓辺の景色は気が付くと都会になっていた。僕がボーっとしている間に新幹線はどうやら京都に近づいているようだった。

いい日旅立ち」のメロディーが新幹線の中に流れた。


あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日 旅立ち 幸福をさがしに
子供の頃に歌った歌を道連れに… 

 

 

【潜入】PUA_akiさんのナンパスクール 〜うっすら濡れた夜〜

f:id:OZZ:20140430185017j:plain
※1

 

しとしとと降る雨、つやつや光る夜のネオン。
昭和の日のとある繁華街。

傘もささずに歩くakiさんと講習生と僕。もうスクール(講習)が始まって45分ほど経ったろうか、フル回転の僕の頭が、akiさんの発する言葉や仕草から、一つのメッセージも逃すまいと集中力を全開にしている時だった。
ふとakiさんが言った。

「今言ったこと、ちょっとやってみるので僕のナンパを見てみて下さい」

そう告げると、斜め前を歩いていたロングヘアーのJJ系の女の子に、akiさんがさっと歩いて行く。女の子は綺麗だ。
僕なら無理だと思って声を掛けない雰囲気の女の子。とぼとぼ歩いているわけでも、服装にちぐはぐした要素があるわけでもない。即系ではない。
akiさんには悪いが、正直、僕はこころの中でこう思った。
あれはオープンしないでしょ、ガンシカでしょ。

akiさんは僕らから離れると、すっと女の子の横に並んだ。
確かに見えた。
独自のリズムと空気をまとったakiさんと、その女の子の、日常の空気が混ざり合ったのが。
それは水と油ではなく、水とウォッカのようだった。
一見無色透明で何も変わらないのに、知らず知らずのうちに刺激が紛れ込んで、異世界へといざなう。
そんな風に。
akiさんが何か話しかけて、女の子に小さなジェスチャーをした。

 

 

・・・僕は鳥肌が立った。

 


わずか接触から3秒。笑顔に変わった女の子は、もうakiさんの世界に取り込まれていた。




______________________




ポツポツと頬に落ちだした雨粒。どうやら雨の予報は当たったようだった。

ひょんなことから、akiさんのナンパスクールに観察者としてお邪魔することになった。
この日はClass0という初学者向けのもの。無料で約1時間。

僕はakiさんと少し早めに合流して、話した。会って速攻投げ込まれる、嘘かホントかわからない僕へのネグに、恥ずかしながら戸惑ってしまった。

そうして講習生と落ち合った。街を歩きながら講習生の人となりや、経験などを聞き出して参考にしつつ、基本的なマインドセットやakiさんのナンパでのフレーム(論理や捉え方の枠組みのようなもの)についてざっくりと説明が入る。
むしろほとんどの時間をここに費やしていた。勿論講習生によって内容やなんかは少しづつ変わるという。

スポーツでも勉強でもそうだけれど、いきなり闇雲に始めることはできるし、ある程度結果は出るけれど、より効率と効果を求めるのであれば、理論や仕組みを理解することは必要。むしろ近道というわけだ。正直これが無料かと思った。
逆に言えばほぼナンパ未経験の人がこれを受けて、どこまで理解できるのだろうか、という気持ちになった。
いや、概ね理解というのは出来るかもしれない。
むしろ体感出来るか?体現できるか?ということにあったかもしれない。

あらゆるものにはリテラシーが付きまとう。(ここでいうリテラシーとは「情報がある形で提示されるに至った経緯や、発信者が隠そうとしている意図や目的まで批判的に見抜く能力」を指す)そしてそのリテラシーを得るにはある程度の「経験や感受性」がいる。
今回のakiさんのナンパ講習で言えば、初学者向けとはいえ、かなり突っ込んだ所まで説明している。しかし初学者がそれらを小一時間で体感はなかなかできないだろうとは思う。理解と体感は違う。更には体感と体現も。勿論すぐには分からなくてもいいと思う。
むしろ、言われたことをずっと心の中に留めておくことで、あるいはナンパを続けていくうちに、点と点が線でつながる体験をするのかもしれない、と思った。

まぁ僕自身たいした腕はないし、理論もヘチマもないようにナンパをしてきたが、あらためてakiさんが講習生に丁寧に言っていることが、僕には逆に究極の復習として耳に入ってきたのだった。

そんなことをグルグル考えながら歩いていると(恐らく僕は考えすぎて般若みたいな険しい顔をしていたと思う)大通りで、ふとakiさんが言った。

「今言ったこと、ちょっとやってみるので僕のナンパを見てみて下さい」

このakiさんのナンパこそが、僕にとってこの講習のハイライトだった。(いつの間にか僕の講習みたいになってるやんとか置いといて)
もちろんakiさんとはたまにあって話したりするが、ここまで真剣に集中して彼のナンパを見た事がなかった。

一瞬の出来事の後、思った。

めちゃくちゃナンパうめぇ。
(正確には声掛けから軽い和みまで)

声は聞こえなくてもそれは十分に分かった。

僕は思った。




・・・この講習では、これを絶対に見逃してはならない。そして感じなければならないな、と。

 

 

 

気が付くと僕らの周りの人々は傘をさしていた。そして僕の髪もジャケットも霧雨でしっとり濡れていた。
スクールが終わった。

 


同行を許して頂いたakiさん、ならびに講習生の方、有難うございました。

 

 

 

 


※1…このポスターはアキ・カウリスマキ監督の映画「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

 

 

 

彼氏持ちを落とせ!理由なき反抗をぶっつぶせ!! 〜夜明けの1月篇〜

f:id:OZZ:20140421191000p:plain

 

12月の終わりにナンパで圧倒的敗北によって迎えた2014年1月。
寒さが本格的になり始め、地元で厳かに家族と新年を過ごした僕は、5日ぶりに帰った東京という街を新幹線の窓から見つめていた。5日ぶりとはいえやっぱり東京はすごい。大樹林のようにそびえるビル、そして毎日が祭りのような人出の街。

乙事主みたいなイノシシが駆け巡り、茶色いモフモフした野うさぎが大行進するうちの田舎とは大違いだった。そして直感的に思った。

こんなに人がいる街でナンパできないはずがない。

そうして1月、混みあう明治神宮で、僕は賽銭箱に五円玉を投げ入れて二拍手し、目をつむり心をこめて、こうお願い事をした。

「即できますよ〜に」

その日、神様の機嫌がなんか悪かったと、宮司が言っていた。ギリシア神話の神なんて色んな女神とやりたい放題だぞ、何言ってやがる。おぼこいな!
ナンパもオフシーズンと言われる真冬。気持ちを新たに、僕は0度近い気温の中、来る日も来る日もストにでて、週末はクラブに行き、残党狩りをした。ゴマキさんには価値観や生き様をブチ壊されて頭が真っ白になり、Zoyyさんには驚異的なスピード即ナンパを魅せつけられて感化された。そして、僕は1月3日から17日まで15日間、一度も空が暗いうちに寝なかった。この1月は天下一品のラーメンくらい、濃厚だった。軽い吐き気すら覚えた。



_____________________

 

迎えた19日の日曜日、僕は勝手にツイッター名の改名をかけてアポに臨んだ。相手はクラブ帰り、朝の六本木でバンゲした彼氏持ちのOL。正直めちゃくちゃタイプだった。僕の好きな、クール系美女である。明日仕事という彼女をわざわざ他県から最寄り駅まで呼び、有名な飲み屋に行った。
多少腕のあるナンパ師ならこう言うだろう。

最寄り駅に来てくれる女は即れて当たり前。

しかし当時の僕には、もはやセックスという行為に至る方法が全くわからなくなっていた。さながら数Ⅲの教科書を読んでいるような気分。しかも相手は彼氏持ち。
だが多少腕のあるナンパ師ならこう言うだろう。

彼氏持ちでアポに来る女は即れて当たり前。

そんな言葉を浮かべながら、ド平日だったため、予約をせずに目的の店に入った。

店員「今いっぱいなんすわー!立ちになるんですけどいいっすかー!?」

僕は彼女と目を合わせた。2秒ほどのアイコンタクトのあと、

僕「…いいですょ」

いいわけねーだろw
正直終わったと思った。わざわざ小一時間かけて来てもらって立ち飲み。一瞬頭が真っ白になったが、ここで運命を恨んでも仕方ない。リーセの子になんでリーセなんだよ!っていうくらいアホである。勝負は準備から始まっている、という言葉の逆をいく展開。そして苦し紛れにひらめいた。ここは仕方ない、短時間でクローズして「立ちはやっぱり疲れるから、家近いしそっちで飲もう」これしかないと思った。短時間なら飲み代もかからないし!

お互い飲み物を頼んで乾杯。あとは関西の凄腕ナンパ師、きゃりーさんの『彼氏グダを崩せ!』というエントリー通りにことを進める。問答無用に同じルーティンをつかわせて頂く。しかし二番煎じで、身体化していないルーティンは、まさにルーティン=流れというものには程遠く、思いつきのセリフのように流れを作る事ができなかった。むしろブロックである。
立ち飲みを始めて一時間半、俺はともかくヒールの彼女に申し訳ないしテンションも下がりかねない。もうここで自宅に誘わなければ終わると思い、僕はついに家に連れ込む決意をしてこう言い放った。

「うちに、実家から送られてきた大量のミカンあんねんけど、食べきれへんし寄ってって」

ぜんぜん思ってたのと違うこと言ってもーたw
いろんな意味でアラサーとは思えぬ、苦し紛れの提案をしてしまった。そして彼女は言う。

「あたしの実家静岡だから、ウチにもミカンいっぱいあるんだよ〜」

嫌な偶然というのはあるもんである…。

 
「…ほな静岡のミカンとうちのミカンどっちが旨いか勝負や(震え声)」


苦し紛れw
だが彼女はとりあえずミカンの味比べのために家に来ることになった。食付きあれば理由なんてどうにでもなるんじゃ\(^o^)/


僕と彼女は寒空の中、店を出た。寒い、そういって彼女の手をとった。彼女はいう。

「彼氏じゃないのに、なに?」

ちなみに彼女と初めて六本木で会ったとき、僕は別れ際のキスクロージングを思いっきり拒否されていた。彼氏としかしないの、という彼女の強烈なグダを崩せなかったのだ。そんな堅い子だ、彼女は平然と、僕の手をシルクのようにするりとかわす。僕はここでもきゃりーさんのルーティンを一言一句間違わずに放った!

「正直、彼氏いるのは運が悪かったとは思ってるよ。でも運命に順番なんて関係ないでしょ?」

「そうだけど…」

「もし俺の方が先に出会ってたら、今の彼氏にも同じこと言うんじゃない?」

「うん…。」

「じゃあ今日だけはフラットな目で俺のこと見てよ。」

「うーん…わかった。」

彼女は僕と手をつないだ。
きゃりーさん、今度、知的財産使用料を払いにいきます。

 


_____________________

 



家について一応ミカンを出す。テーブルの上に置かれた一人ぼっちのミカン。もちろんどちらも手を付けない。ミカンが孤高の強さと憂いを帯びている。
一人ぼっちのミカンはただ食べられるものから、男と女をつなぐ言い訳の正体へと変わった。言い訳についていえば、男と女はそういうものだ、となんとなく今は気がついている。男と女は言い訳を作り、言い訳を欲しがる。ミカンがこの日、妙に文学的な存在に思えた。

床に座り、ベッドにもたれてくつろぐ彼女。特に話すことが思いつかなかったので、早速決めにかかった。もちろん彼女は、待って待って待って、とやんわり拒否、そして

「お ち つ い て ☆」

…女の子にギラついたことなある男なら一度は耳にする頻出ワードが登場。このワード言った女の子は次回から横取り四十万です。
僕は返す。

「落ち着いてるよ(将棋で羽生さんに勝てるくらいに)」

そして更に、

「君そんなこといいつつ断固拒否してないじゃん」「嫌ならなんで来たの?」と問う。

「だってさ…なんかさ…」

彼女はジェームズ・ディーングダを繰り出す。

「分かった、床が嫌なんやな。とりあえずベッドいこ」

と彼女の理由なき理由に、俺が理由なき理由を与えてなぜか二人はベッドイン。ここで、もはや余裕かと思われたがベッドインしてからもキスを迫るとジェームズ・ディーングダ。ジェームズ・ディーンはこの世に二人要らねーぜ、と思ったかどうか記憶にない。が、拒否してる相手に無理に攻めては引かれるだけだ。なんなら犯罪みたいなことしたくないし、いうなればお互い求め合ったほうが楽しいセ_クスができる。そう判断した僕はここで欧米と日本のセックス観の違いを語る、「ノーボーダールーティン」を仕掛けた。

完璧にそのルーティンが彼女の価値観にヒットし、彼女がこわばっていた体の力を抜くのがわかった。そして一気に攻めこみ、扉をこじ開ける!
始まりの鐘がなるDeep kiss!!
彼女の胸に手を伸ばす!!!
だが舌を絡ませながらも最期にくるラスト・ミニッツ・レジスタンス!!!!

「だめ、彼氏が…」

追い打ちを掛けるようにここできゃりーさんの最期のルーティンを繰り出す!!!!!

「もう、全部俺のせいにしていいから」


 

 

 


彼女「…めんそーれ\(^o^)/」

 

 

 




もちろん彼女はめんそーれとか言ってない。

だが何を隠そう、ここで完全にゲットが確定した僕の脳裏に浮かんでいたのは、相手の大人っぽい黒い下着のその先でもなく、甘い香りの首筋の感触でもなく、シロップのかかったさくらんぼのような唇でもなく、あろうことか数々のことを僕に教えてくれた仲間達の顔だった。
野郎どもの顔だったのだ!

♪メチャメチャ 苦しい壁だって ふいになぜか
 ぶち壊す 勇気とPower 湧いてくるのは〜
 メチャメチャ きびしい人達が ふいに見せた
 やさしさの せいだったり するんだろうね〜
 アリガトゴザイ……ます!

みたいな曲に合わせて、ナンパを教えてくれた友達やまだ見ぬブロガーさんのアイコンが、沢山現れては消えた。
https://www.youtube.com/watch?v=2RB1v0jae-w
そしてゲット出来たのは間違いなく完全に、きゃりーさんのブログを読んだおかげに他ならなかった。
更にはZoyyさん直伝、今日まで4戦負けなしの、『最寄り駅から家連れ込みルーティン☆』が完成した日でもあった。お二人には今度ミカンを差し上げたい。




_____________________


 

セ_クスしたあと、彼女はこういった。

「彼氏以外の人とこんなことになるのは初めて…。でも楽しかった!今日はありがとうね」

「こちらこそ。♪アリガトゴザイ……ます!」

その後、終電ぎりぎりまでいちゃいちゃとすごした。

そんな1月は結局1ゲットに終わってしまった。
そして僕は今回は準即であって、未だ即はないという状況に、依然焦りしかなかった。毎日コールドリーディングやNLPを勉強し、頭の中は先ほどの仲間たちの様々な意見や考え方で、まるでメタンガスで破裂しそうなゴミ袋のように、パンパンだった。

後日。その子とは運悪く、バニティで他の女の子をナンパしてる所でダメーな感じで会ってしまい、音信不通になった。
所詮はインスタントな出会いなど、大切に育てないければいともたやすく枯れて、ハゲ散らかる。もし育てるのならば生え始めの産毛こそ大切にしなければならないのだ。セックスは別段ゴールでも何でもない。

 

 



ナンパには夢がある部分と、夢がただの現実になる部分がある。
昔はナンパブログを読んでは嘘のような世界に憧れ、文章の一つ一つからエロイことを想像し、自分に置き換わった情景を浮かべては興奮した。弾丸即、3P、4P、野外、クラブから持ち帰り、読モ、人妻、キャバ嬢…本当にこんな世界があるのか?女の子がそんな簡単についてくるのか?妄想で補完しては読み漁った。


そんな僕が、現実世界でプレイヤーになる日がついに訪れるのだった。


怒涛の2月がきた。



2月篇につづく…

 

 

【2014年春先】もう人混みなんかクソ喰らえだ、クラブ「SIX TOKYO」へ突撃 〜椅子とヌクモリティ〜

 

f:id:OZZ:20140410012259p:plain

 

 

桜が満開なことも知らず、金曜のMuseリーマン・ショックにあった次の日、僕は久しぶりにナンパにやる気を出したクッソ酔っぱらいのS氏と、V2の行列を尻目に、優しいIDチェックの黒人さんがいるSixのエントランスにいった。
「マッテタヨ〜、タノシンデヨ〜」
これがSixヌクモリティである。
LINEで割引の画面を見せて男2000/2D、女1000/3Dにてイン…これがSixヌクモリティである!待ちに待った土曜日!時計は深夜の1時過ぎ!エントランスのドアを開けた!!

「ガラガラじゃねーか!」

なんとなく予想はしてたが。そう、最近Six Tokyoの栄華は、蘇ったMuseのせいで崩れ去ったという噂を聞いていたのだが、久しぶりに来てみたここはまさに…。まぁ確かに人はあんまりいないけど、可愛い子がいないわけでもなく、ナンパもそれなりには出来る。ただやはり全体的には勢いは落ちたと言えるだろう。
だが僕はあえてこのSixという箱を押させて頂く!特に裏金はもらっていない!むしろ欲しい!
まぁ、なんでSixが僕の推しメンかというと、踊るにしても休むにしてもちょうどいいからだ(ナンパはどこ行ったw)。


週末のV2は一度入るとVIPでない限り男は座ることを許されぬクラブナンパのグアンタナモイラクやアフガンで捕まった中東の容疑者が入れられる収容所で、無罪であっても拷問を受け、出られないという噂の場所)であるし、確かにナンパはアホほど出来るが同時にライバルだらけで、さらに踊るには狭い。に対して、Sixは椅子が沢山、お座り大歓迎であるからだ。ならMuseでいいやないか?…MuseよりもEDMとか一杯流してくれるし、来たんですけど踊りはしませんみたいな女性が少ないから僕は好きなのだ。
俺は一体クラブに何を求めているのかだんだんわからなくなってきたw 座りに行っているのかw
が、お座りはともかく、Sixでのおさわりは、DJブースの真下か左スピーカーの横が以外に◯。死角になって触りまk…これがSixヌクモリティである!!

さて、女性の流れはというと、V2行ってのエスプリ行ってのみたいなハシゴ族がいるので、意外に入れ替わりがある。2時から4時あたりで半分くらい入れかわるんじゃないかな。
僕の所感だが、女性はおおよそ、クラバーを中心とした常連およびHIPHOP層と、V2にいい男がいない、もしくはイマイチモテなかった、ナンパされたい層である。ちなみにクラバー層がみんなオシャレで美人かというとそうでもなく、いわゆるクラブっぽくないオシャレに身を包んだ女の子もままいるし、踊れるデブもいる。まれにJJみたいなザ・ナンパカモンなかっこしてるのに「踊ってんだよナンパすんじゃねぇ」みたいなトラップクラバーが混じっているので、油断するとたまに心折られる。
あとはリーマンと会社の同僚の女の子っていうグループも結構いて、ここに手を出して意外にいい感じに女の子だけピックアップができることもあるらしい。まぁ逆に激怒されることもある。そればっかりは観察しかない。やはりSixは適度に六人くらいで会社員が来るには落ち着けていいということだと思う。

じゃ男はというとあまりオラオラした輩は少なく、HIPHOP好きやEDM好きといった踊り好きな男がV2より遥かに混じっている。個人的には女の子はいい男を探すならそういう男を逆ナンすればいいのではないか、と思うことがある。クラブに来てまでもナンパできないし、ダンス練習真面目にやってるとか、いいやつとしか思えへんw
余談だが、レディースシートがフロア行くまでの左側にあるが、あそこに座っている女たちに、スタッフの目を盗んで声かけても(声掛けてたら怒られますからね!)結局僕は一度しかうまく行った試しがないので、猛者は試してみて欲しい。ただ某踊れるイケメンなら釣れるっていう噂もある。

あとSixにはエントランス入ってすぐにHiphopメインのエリアがあるが、僕がそっちに詳しくないこともあり、そっちでは中々Hiphopの教養がないとナンパが難しいように感じる。でもそっちのエリアのほうがスタイルのいい美女がいることが多い気ももするが、彼女らはクラバー率が高いので、同時に難易度も上がる。これも猛者は試してみて欲しい。

まぁやはり人数的に数撃ちゃ当たるで雑なナンパしていると、案件がいなくなって三時半にして坊主確定みたいなことになるので、気をつけてもらいたい。

 

でもそんな貴方に残された最高の道がある。それは…

 

 

 

広いスペースで踊ることじゃい!!!!