ノッてるね☆猿でもできる最強酔拳ナンパ 〜朝焼けの2月篇・その1〜

2月3日、節分、夕方。
僕は渋谷に向かって自転車を鬼漕ぎしていた。仕事を終わらせ、私服に着替え、意味がわからずテンションが高かった!なんや、なんなんや!この心から溢れる身体の躍動と精神の高揚は!ワケもわからない感情に自転車による鼓動の高まりが相重なり、

「ムテキーング!!」

とか叫びそうだった!今日は冬のくせにめっちゃ気温高いやないか!2月で18度もあるだと!?
もはや俺、常夏ボーイ\(^o^)/……

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……実はこの前日、今はナンパクラスタをやめてしまったよぅしさんと、2013年秋ごろによく一緒にナンパしていたロゼくんと、最近一緒にナンパしているmenonsoupさんと渋谷でお茶をしていた。よぅしさんは相変わらずの頭脳明晰っぷりに加え、情緒を重んじる素晴らしい方だったし、ロゼくんは一旦ナンパでは落ち着いたとはいえ、一時期は怒涛の即を生み出したノリを忘れることなく、menonsoupさんはその日もクールな落ち着きとユニークなナンパ分析を繰り出していたのだった。

僕はというと1月の「文学的ミカン準即 feat.きゃりーさん」のみで結局2月を迎えており、ナンパ師として絶望の淵どころかマリアナ海溝の深淵にいる、ナンパ死だった。めちゃくちゃ勉強してるのに全然成果に出ないし、出たと思ったら青果だし……らっしゃい。

そんな会合の後、よぅしさんとmenonsoupさんと別れ、少しだけロゼくんとナンパをした。
ロゼくんは久しぶりに僕のナンパが見たいというので、しぶしぶ夕日の渋谷で一発ナンパを絞り出した。ドキドキする鼓動、何人か美女をスルーする地蔵っぷりを発揮しつつも、どうにかささっと声掛け。少し和んだがバンゲにはいたらなかった。じゃ、と言って、声掛けした女の子が遠くに去っていく。その背中を見つめながら僕の見た目の世界は、もはや色を失い白黒になっていたのだった。
そしてこころの中ではこう思っていた。

「あかん、ほんまあかん、わいはもうナンパ向いとらんのや。ストリートで声掛けてセ_クス? 絶対嘘やん、都市伝説やん、無理やん…リームーやん」

そうして振り返り、遠くに見えるロゼくんの元へ戻る。

「あ〜オズさん、もはや【お杜撰】やん、それとも滅菌処理されたオゾンさん?てか乙さん?」とか言われるんやろな〜、と思いロゼくんに近寄って、恐る恐るどやった?と聞くと彼は言った。

「いいじゃん、前と何も変わらないよ!全然大丈夫だよ!あの頃(秋ごろ)一緒にやってた時に一発で連れだしてたノリでやれば。何も考えなくて良くない?自分らしくやれば?あの頃すごかったよオズさん!」

…え(;´∀`)

…そうなの(・_・;)

…そうだったの(・`ω・´;)!

その一言に僕は戸惑いと照れを隠せなかったが、同時に秋ごろのロゼくんと繰り出していた自分の姿がまざまざと浮かんできたのだった!!
その頃僕は確かにそうだった。
意味不明なほどにナンパできるわ余裕やわと自信があったし、ナンパしなければというプレッシャーもなかったし、何よりナンパをめちゃくちゃ楽しんでいたのだった!!
ありのままでいい、たのしめばいい、やりたいようにやればいい、お酒はぬるめの燗がいい!!

これや\(^o^)/

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「ムテキーング!」

 

 

と心の中で叫んで俺は(←調子に乗って俺に変わる)道玄坂に着いて自転車を止めた。
18時、渋谷、晴れ、気温18度。

「みんな〜、俺の街に俺がきたで〜!」

勿論心の中でだけでそう叫び、俺は一路、道玄坂のコンビニに向かった。
ストロングゼロを買い、仕事帰りのリーマンやOLが行き交うコンビニの前で座りながら、一人でニヤニヤしながら飲んだ(月曜日の18時です)。
あ〜、会社帰りの皆さんガッツリ俺の事みてるわ〜、そらこんな時間に一人で缶チューハイ飲んでるんやもん、みるわな。
でも今日は気温が高いし、平日休みの常夏ボーイは誰にもとめられへんよ〜\(^o^)/

・俺はアルコールに頼ってナンパすんのなんかアカン!と思っていた…即行捨てた。

・ずっと勉強していたコールドリーディング…どうでもいいから忘れた。

・斜め前からプライベートゾーンに入らない位置からの声掛け…行きたいとこから行くわ。

・酒が弱いからすぐに酔ってきて人目が…気にならなくなったワッショイ。

・声掛けの時は同調…そんなもん俺の楽しい気分についてこいや。

・最高の笑顔…酔ったから常に笑顔\(^o^)/

少し俺の街(渋谷)を歩き、俺は思った。
俺はふと渋谷を、俺の街でありながら、まるで知らない街のように眺めた。見慣れた渋谷も、俺が海外から来た旅行者やと思うと、なんてエキサイティングで、オリエンタルで、トレビアンな街なんやと。スシ!ゲイシャ!!
そして深呼吸をする。新鮮な排気ガスを吸い、アゲアゲになった!
よし、もう一本スミノフや!

そしてスミノフを飲みながらロシアの酔っぱらいみたいな真っ赤な顔して俺はナンパを開始した!

109前の横断歩道にギャル発見!

「おねぇ…」

ガンシカ\(^o^)/

だが今日の俺はガンシカをエネルギーに変える程にアゲアゲだった。言い換えればドMだった。
そしてあることに気がついた。
今日は節分、一年に一度しかない節分やないか!豆や!と。そして真っ赤な顔した赤鬼どんの俺は福を探してセンター街へ。
フワフワした足取りで歩いていると、俺の前から一人のシンデレラが歩いてくるのが目に入った。全身白っぽいフワフワした服に、ぱっちりおめめの女の子。言うなればしょこたんに結構似ていた。そしてなぜか片手にホールケーキの箱を持っている。俺はあえて一旦スルーした(地蔵ともいう)。
その子=白子とすれ違う。俺は即座に振り返った。そして5秒立ち止まったのち、

「地蔵、バイバイ☆」

と爽やかに地蔵の背中を見送り、白子を追いかけてアゲアゲでこういった。

「でっかい豆持ってんな〜!!」

「え?」

「それ(ケーキ)、でっかい豆やろ?これからまくんやろ?」

「違いますよ、ケーキですよ」

「豆ケーキ?」

「違いますってw」

「節分にケーキまくの?」

「まくわけないじゃないですかww」

クソしょうもない声掛けをハイテンションでやってしまう\(^o^)/そして白子に言われる。

「酔ってるでしょ!」

「…俺酔ってる!もう一件行こう!」

「もう一件てw 帰りますって、あたしお酒弱いし」→これ連れ出せるやつや〜ん\(^o^)/

「俺も弱い!だから大丈夫!飲まなくていいわ、ご飯食べよ!30分だけ!」

「え〜」

道玄坂登ったとこに最高の居酒屋(コスパがな)あるからそこいくよ!」←展開を決めつけました。

そんなこと言いつつ、もはや白子と腕を組みだす俺。

「今日だけ彼氏と彼女や!」

「え〜なにいってんの〜(*´艸`*)」

「行くよ〜!」

ナンパとは不思議なもんである。白子は腕組みを別段嫌がらない。出会って3分なのに…。
白子と俺様(←様がついた)は即席で恋人になった。
正直俺様はもうここで勝利を確信した。これ、直でホテルでもどこでもいけるやつやなと。野生の勘やけどそう思った。
でも俺様はお腹が空いたので某激安居酒屋に向かう。そして女の子の話もきかずに、ものすごく適当な決めつけトークをしながら道玄坂を登ると、いつも行ってるはずなのに、目指していた居酒屋がなぜかわからなくなる(;´∀`)
仕方無くちらっと見えた近くの、某アレが旨い店に入った。
無論、俺様が食いたいからである!

ワイワイと賑やかな店内。リーマンとリーマンの間の横並びのカウンター席に通される。個室?
無駄に警戒されるくらいやったらありのままでええわい\(^o^)/

そして一杯くらい行こうぜと、レモンサワーとグレープフルーツサワーで乾杯。食事しながらハイテンションで仕事の話、恋愛の話をし、とりあえずガチで可愛いからガチで褒め倒す。
ネグ?
マリアナ海溝に忘れてきました\(^o^)/
上辺でもルーティンでもない褒め。本気褒め。更に褒めていると白子の彫刻刀の丸刀のようなやや警戒のある目は、まるで魔法にかかったかのようにとろんとしだし、クレープ屋の前で指をくわえる4歳の女の子のような顔つきになった。
そしてカウンターに座る白子のフトモモが見えた…

「…出るぞ!(色んな意味で)」

そう言って白子と手を繋いで外に出た。

「行こう!」

「どこに〜?」

「あっち!!」(ホテル街を指して)

「え〜?」

「え〜とかいいつつ、もうわかってるやん」

「なにもしない?」

「…する!」

ホテルイン!ベッドイン!ノーグダ…!
そして心の中でこう叫んだ。






「ムテ・キーング!!!」

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1月からストナンで惨憺たる坊主のシャレコウベの山を築き上げた僕は、全て忘れるという境地(ただの酔拳ともいう)に達して、即をした。勿論即系だったのかもしれない。運が良かっただけで実力とは無関係かもしれない。
でも、それでも僕にとっては大事な結果だった。そしてありのままの自分に一度帰れたこと、思い出せたことが、嬉しかった。ロゼくんの顔が浮かんだ。

ぶっちゃけ、忘却の境地にいたとはいえ、これまでに培った数々のワザは、実は随所に勝手に出てきた。だから決して学んできたことは無駄ではなかった。それと同時に、沢山の人に出会い、教わったことが今につながっていると感じた。
結果が出ないで一人で悩んでいる人は、色んな人と合流してナンパすればいいと思う。

ナンパは一人でするもんや?

犬に食わせろ!!

その後白子とはたまに連絡を取るものの、もはや二度と会えないだろうと思う。一瞬で出来上がった即席の恋人は、その熱量を失い、すぐさま散灰してどこかへと消えていってしまった。
多分その熱量は、あの時、あのホテルのゴミ箱の中に捨てられたのだと思う…。

 


そうしてこの2月の週末、僕は大雪の中、クラブで野生に返り、色んな意味でイッてしてしまうのだった。




2月篇・その2へ続く。